ブザー音に関する妄想。

 音声波形は周期的に同じ形を繰り返す。けれど、厳密に同じ形が繰り返されているわけではなく、周期ごとにわずかに形を変えている。では、一周期分の波形を切りとってそれだけを長く接続していったらどうなるのか。結果としては、どのような波形であってもブザー音に聞こえる。「びー」とか「ぶー」とかいうブザー音である。たとえ「あ」の波形を切りとっても全く同じ波形が続けばブザー音となる(ここまでは事実である)。

 ブザー音とはいったい何なのか。本日の日記は仮説とすらいえない私の妄想である。決して信じないように。

 脳みその話から入る(というところからして胡散臭い)。脳みそは多数のニューロンでできているが、その仕組みは簡単で、要するに複数の入力の重み付け和が閾値を上回れば発火するし下回れば発火しないというただそれだけであるらしい(伝聞)。これが前提のその一である。

 それから、聴覚に関係する脳みその部分は、周波数ごとに音が大きくなったか小さくなったかということを判定しているんじゃないかという気がしている(気がしているだけ)。これは要するに、過去と現在とを比較しているということである。これが前提のその二である。

 これらの前提を分かりやすく擬似コードで示すとこうなる。

bool compare(present,past){
    if(present>past){
        return(音が大きくなっている);
    }else{
        return(音が小さくなっている);
    }
}

 さて、問題は音の大きさが一定のときにどうなるのかということである。つまり、常にpresent==pastが成り立つときにどうなるのかということである。この擬似コードに従えば、if文が否定されるので、常に音が小さくなり続けていると判断されることになる。つまり矛盾が生じる。present==pastを判定する処理がないからである。脳みそにもきっと(きっと!)present==pastを判定する機能はない。だから、脳みそにとってずっと同じ大きさの音というのはものすごく気持ち悪い音なんじゃないかと思うのである。ブザー音というのはそういう音なんじゃないかと思う。

 という疑似科学である(繰り返すが、決して信じないように)。でも、あながち的を外してはいない気がするから不思議である。