2011-01-01から1年間の記事一覧

人工知能が東大に入るときの難所。

一部で話題になっている「ロボットは東大に入れるか」(国立情報学研究所「人工頭脳プロジェクト」)であるが、私の周りでは専門外の方々の反応の大多数は「当然入れる」というものだった。私の直感では「難しい」ということになっているので、ここでは何が…

音声認識の得意なことと苦手なこと。

年に数回くらい「音声認識でこんなことはできますか」という趣旨のメールが来るので、やりやすいこととやりづらいことを書いておこうと思う。なお、これは現時点での技術状況であり、将来どうなっているかは分からない。1.大量データは得意。 やはり機械なの…

モンテカルロ5五将棋の試み、その2。

本日の日記は現在作っている5五将棋の棋譜である。技術的な説明はせず、単に棋譜を載せるだけである。メールやtwitterやgoogle+での反応や要望を見て今後どこまで技術的な説明をするかを考えるつもりである。反応が薄ければ説明はしない(前回のどうぶつし…

方針転換。

音声の研究とこのブログに関して思うところをgoogle+に書いてみました。なお、google+はどうやら招待状なしで誰でも登録できるようになったようです。

倫理学の人と喋った。

将棋関連の知り合いに若手倫理学者がいたので、なんとなくskypeで喋って録音してみました。いわゆるラジオです。 聞き返してみて、私は話を聞くのが下手だなあと思いました。リアクションが単調。全くの専門外の分野の話だとやっぱり話の聞き方が浅くなりま…

「消えゆく学会」を聞いてきた。

本日、「消えゆく学会」という会議が人工知能学会主催で開かれた。その感想をさらさらっと雑に書いたので、リンクを張る。 「消えゆく学会」を聴いてきた

フォルマントの情報量と日本語五母音。

本日の日記は音声の母音についてのどうでもいい話である。専門用語多め。 しばしば母音を語るときに第一フォルマントと第二フォルマントの二つで表すことを前提として話が進められることがあるが、このところ母音をいろいろと触っていて日本語五母音をたった…

モンテカルロどうぶつしょうぎの試み5。

本日の日記はコンピュータ将棋にモンテカルロ法を適用してみたという話である。ずいぶんと間が空いてしまったが、それだけ苦労したということである。第一回目の日記の内容から考えるとずいぶんと進歩した気がする。 さて、コンピュータ囲碁の世界でモンテカ…

二次元テレビと穴。

三十年ほど前、我が家には一瞬だけ白黒テレビがあった。私に物心がつく前のことなのであまりよく憶えてはいない。ほどなくしてカラーテレビに買い換えられ、それ以降我が家にはカラーテレビがあるのだが、そういえばなぜテレビには視覚的にリアリティがある…

テストに出ないからこそ重要な数学の心得。

本日の日記は本の紹介である。「数学ガール 乱択アルゴリズム」という本である。 小説仕立ての数学の本であり、この乱択アルゴリズムはシリーズの四冊目であるようである。私は前の三冊は読んでいないのでなんともいえないが、この本は素晴らしかった。 数学…

3月21日に予定されていた講演で羽生善治三冠に訊いてみたかったこと。

来たる3月21日に電気通信大学に於いてコンピュータ将棋に関する学会(一般公開)が開かれることになっていたが、地震のために中止となった。その学会では羽生善治三冠の講演と質疑応答もあった。 質問は聴講参加希望を送るときに同時に集められており、私…

小説関連のイベント。

音声とも将棋ともそのほかの学術的なこととも何ら関係がなく、つまりこのブログとは関係がないイベントですが、告知してほしいと頼まれたので告知です。 世の中には小説家とか編集者とかそういう人たちがいるわけですが、そういう人たちのディスカッションを…

「べ」と「で」と「げ」の違い・その4。

本日の日記は音声の話である。ようやく一歩研究が前進したかしていないかというところである。分野としては、計算音声学ということになるのだと思う。文系の音声学について工学的にアプローチしてみたということである。 私は今、/p/と/t/と/k/がどのように…

勝手には進歩しない科学。

さて、今年もどうでもいい話から始まる。 少し前のことになるが、旧くからの友人とコンピュータ将棋の話になった。友人がそれほど詳しくない類の話である。私が「頑張って作っているんだけどなかなか上手くいかないんだよねえ」と言うと、友人は何かに気づい…