修士課程という肩書き。

 工学部に限った話であるということをまず最初に書いておく。

 勉強や研究をしない修士の学生が増えていると感じている。私だけではなく、先生方もそう感じているようである。また、私よりも上の世代からすでにその傾向はあったようである。もちろん私の世代も勉強をしない修士に含まれている。

 なぜ修士課程に勉強をしない学生が多いのか。このことについて友人と話し、様々な仮説が飛び交ったのだが、最も有力な仮説は「勉強をしてもしなくても就職できるから」というものだった。二年間ニートの状態にあると就職しづらくなるが、二年間修士課程にいると実質的にもしニートと同じであっても就職をすることができる。修士課程という肩書きがあるからである。

 ただし、そろそろ企業の方々も気づいているはずである。工学系の修士の半分程度は二年間でほとんどスキルアップをしていない。だから、そのうち修士課程という肩書きは(工学系に限るが)ニートと同じ効力しか持たなくなるだろう。

 「二年間、自分探しをしていました」