「単貧民あるいは詰め大貧民の提案」

 三月の「エンターテイメントと認知科学シンポジウム」*1での講演の一つが面白かったので紹介する。とはいっても、私はこれは聞いておらず、手元に二ページの予稿があるだけである。

 要旨としては「詰め大貧民というものがあってもいいのではないか」というものである。大貧民をプレイしていて最後の二人になったとき、捨て札を全て憶えていれば自分と相手の両方の手札が完全に把握できる。要するに、完全情報のゲームになる。こういった状況のときには必勝法が存在する(または必勝法が存在することがある、のか?)。要するに将棋でいうところの「詰みがある状態」となる。そのときの手札を示して「次の一手」を問う問題を出題するのも面白いのではないかということである。私は面白いと思った。

 この論文は内容自体も面白いのだが、「ルールのバリエーションとして、ペア出し、階段出し、革命、8切り、シバリなどがある」という普通なら論文に出てこないような用語が当然のように出てくるあたりに笑いを誘われる。

*1:エンターテイメントと認知科学シンポジウムhttp://minerva.cs.uec.ac.jp/~ito/entcog/