「カブロボへの招待 -人工知能を用いた株式取引-」。

 人工知能学会学会誌2007年7月号掲載の記事である。短く要約すると、株式に関するロボカップのようなものに関する紹介記事である。

 この「カブロボ」は、架空の空間で株を売り買いし、いかに儲かるプログラムを作るかということを競うというものだそうである。ただ、架空の空間ではあるが、株価自体は実際に存在する300銘柄と連動しているようである。興味のある方は、大きな図書館に行って記事を読んでみてください。

 以前私は、このブログではない別の場所で、「工場はロボットが仕事を担当し、飛脚は自分の足の代わりに乗り物を使うようになった。もしかしたら未来にはほとんどの仕事を機械がこなすようになっているかもしれない。さて、遠い未来に最後まで残る人間の仕事は一体なんだろう」という問いかけをしたことがある。私が最も納得したのは「営業職」という回答だった(「芸術」関連はすでに広く研究され始めているので回答としては納得できない)。しかしながら、この記事を読んで、意外と営業職の仕事の中にも人工知能が入ってくる日は近いかもしれないと思った。

 このカブロボの取り組み自体に眉をひそめる人もいるかもしれないが、技術として成功するかしないかを予想しろといわれたら、成功するだろうと私は答える。まだ、この取り組みは株価変動の数値計算のみでおこなわれていると見受けられるが、ここに「○○製薬、新薬を開発」などのウェブニュース自動解析*1などの技術を組み合わせたら、かなり性能は高まりそうである。

*1:ある特定の単語に対する評判の自動解析を研究する分野はすでに存在する。