科学技術
将来的にはコンピュータ将棋の大会に出たいなと思いつつ、いまひとつのものしか出来ていないのでまだ出ない(まだおそろしく弱い)。ところで、本日の日記のタイトルは、今考えていることである。 今は序盤の定跡に従って駒組みをさせるプログラムが中心だが…
修士のときに友人と「穴」について議論をしたことがある。穴を認識したいとして、一体どのように我々は穴を認識する認識器を設計すればいいだろうという議論である。私は音声について研究をしており、彼は言語獲得について研究をしていた。この穴の認識の問…
画像加工の例とその考え方 これまで、「音声認識のしくみ」と「音声合成のしくみ」の簡単な説明ページを作ってきた。第三弾は「画像処理の考え方」である。今回は細かい算数の部分が書きたくて書いた。かけ算と足し算によるフィルタリングがメインである。 …
本題に入る前に宣伝から入る。電気通信大学の学園祭期間中に「5五将棋大会」なるものが開かれるそうである。詳しくはhttp://minerva.cs.uec.ac.jp/~uec55/を見てください(この宣伝を書くためだけに、このエントリのアップロードの予定を繰り上げた。本当は…
bonanzaというコンピュータ将棋のソフトが半年前に人間のトッププロ棋士と対局した。このことは、この記事をわざわざ読みに来る人は知っていることと思う。そして、その対局に関する新書が出た。それが「ボナンザVS勝負脳」である。私は将棋が強いわけでもな…
人工知能学会学会誌2007年7月号掲載の記事である。短く要約すると、株式に関するロボカップのようなものに関する紹介記事である。 この「カブロボ」は、架空の空間で株を売り買いし、いかに儲かるプログラムを作るかということを競うというものだそうで…
先日、情報処理学会の全国大会に行ってきた*1。大会というのは普段様々な小規模の研究会で活動している人々が一堂に会して発表をするお祭りである。ただし、普段の研究会よりも内容のレベルが低く閑散としていることが多い。 その大会で私もレベルの低い発表…
たまに「今のコンピュータでは音声認識は実現不可能だ」と主張する人がいる。特に専門外の先生にこういった主張をする人が多い。よくある論調としては、NP困難のからみで、人間と今の計算機では解の導き方が違うのだとするものが挙げられる。確かに、解の…
直感的な話をする。人工知能研究は今、「すごい」といえるものを生み出すことができていないように思える。なぜ私は「すごい」といえないのか。答えは題名のとおりである。 よくできているものは、大抵怖い。例えば、車は怖い。麻酔は怖い。googleも怖い。な…
以下のページにて、「科学と技術は違うんですよ」という内容から始まる村上陽一郎先生のご講演の映像を見ることができる。また、AIの有名な日本の先生方へのインタビューも聞ける。面白いと思うので、是非ご覧いただきたい。 http://www.ai-gakkai.or.jp/jsa…
別に学問である必要はなく、要するに必要なのは文化なのであるが、その文化がなぜ必要なのかを書く。なぜ書くのかといえば、理系の学生として「文系の勉強ってなんの役に立つんですか?」という質問に攻撃されて文系の学問が社会的に衰退していきつつある現…
先日、私のもとに一通のメールが届いた。プライバシー保護のため詳細は語らないが、「私の代わりに卒業研究をしてください」という趣旨のメールである。その趣旨に反してメールに書かれていた情報量が極端に少なかったため、詳細を聞くためにいくつかの質問…
ものすごく簡単にいってしまえば、科学の歴史というのは計測と分類の歴史である。オームの法則というのは電気抵抗と電位差と電流を計測することができなければ確かめようがない。食塩がNaとClから成り立っているといえるのは原子が分類されているからである…
今回の記事は非常に短い。要するに「音声認識も自然言語処理もトンデモとマトモの区別がつかない」ということを書くだけである。 主に化学系の分野で「トンデモ科学」が生じることが多いようであるが、それは逆に言えば「トンデモ」と「マトモ」の区別がつき…
今日の日記は、専門家は専門を語れという話でもあり、分かっていることを語るより分からないことを語れという話でもある。 理系離れという言葉が古くさいものに聞こえてしまう世の中になったが、私は離れているのは理系だけではなくて、文系からもみんな(大…
西洋を中心に科学は発展してきたが、そこで用いられてきた「科学的な考え方=合理性」を人間に要求すると不幸を招くのではないかと思っている。本日の日記では、このことを「だから」と「しかし」という二つの接続詞をキーワードにして語る。なお、今回の日…
2006年6月7日から9日まで、東京で人工知能学会の全国大会が開かれた。私は6月7日のみ、聴講参加してきた。とある先生の講演を聴いてみたかったからである(http://www.jaist.ac.jp/jsai2006/program/session-63.html)。その講演が私にとっては非常…