物語自動生成と報道戦略。

 昨日から松原さんの「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」が話題になっています。ITメディア日本経済新聞で採り上げられています。

 おそらくそのあたりの記事を読んだ方には、あたかも小説の自動生成が新しいプロジェクトのように映ると思うのですが、実のところかなり前からある人工知能のトピックだったりします。

 私も2005年前後に物語生成周辺を調べたことがあるのですが、日本人の中で論文をたくさん書いていたのは小方孝さんでした。どうやら今は岩手県立大学に研究室を持っているようですが、私が調べた頃は山梨大学にいました。

 山梨大学の「研究活動」のページに論文一覧があり、それを見ると小方さんはすでに1995年に物語生成に関する博士論文を書いていたことが分かります。その後、ずっと物語生成にかかわり続けています。

 そういうことを踏まえての感想なのですが、報道戦略って大切ですね。松原さんが悪いわけではないと思うんですが、今回の報道のされ方は残念でした。それまでの物語生成研究を切り捨てているように見えてしまったので。