学部回想

学部四年生の一月から三月。

予稿を書き上げ提出し、十二月に失敗した実験を再びおこなった。実験には残響の少ない部屋を選んだ。今度は実験は成功し、まずまずの結果を得ることができた。 そして、一月はそれらの作業とともに、卒論も書いていた。ゼミのレジュメをふざけて英語で書いて…

学部四年生の十二月下旬。

シミュレーションではなく、実環境で実験をした。会議室を一つ借り、そこにマイクロホンを固定し、スピーカーから人間の声を出した。スピーカーを用いたのは、しっかりと位置の計測をするためである。この位置の計測が最も大変だった。マイクロホンの位置が…

学部四年生の十月後半から十二月前半。

十月前半までで、「三次元空間・複数話者・解析的計算の音源定位」のシミュレーションができるようになったわけであるが、実のところ研究の本番はここからである。基礎理論ができてからが研究である。 シミュレーションはできたものの、許容誤差の範囲に収ま…

学部四年生の十月前半、その2。

本題に入る前に関係のない話をする。2006年人工知能学会全国大会での村上陽一郎先生の講演映像が配信されていたのであるが配信期限が約一ヶ月後(2007年9月30まで)に迫っているそうである。「科学技術」の歴史に関する講演である。面白い講演なので、見てみ…

学部四年生の十月前半、その1。

助手の先生に「とりあえず三次元空間で単一話者の音源定位のシミュレーションをしてみて」と言われ、それが終わったらさらに「それを複数話者に対応させて」と言われた。というわけで、やってみた。 複数話者に対応させるときの考え方は大雑把に分けて二つあ…

学部四年生の八月下旬から九月。

助手の先生から「とりあえず三次元空間で単一話者の音源定位のシミュレーションをしてみて」との命を受けたので、問題設定と算数をした。その後、算数の結果をプログラムしてみた。それなりに長いスクリプトを書くのは初めてだったので、一ヶ月ほどかかった…

学部四年生の八月中旬、その2。

マイクへの音声の到来時間差の推定にはCSPという方法を用いた。数ある時間差推定法の中からこれを用いたのはただなんとなくという理由だったが、二ヶ月後に重要な意味を持ってくることになった。CSPとその重要な意味については、そのうち書く。 三つの…

学部四年生の八月中旬、その1。

「とりあえず三次元空間で単一話者の音源定位のシミュレーションをしてみて」と言われたので問題を考えた。 マイクロホンの本数を現実の本数以下に抑えたということは、空間の大きさも現実の部屋よりも小さめなのだろうということで、「三次元空間」を「一般…

学部四年生の八月初頭。

助手の先生が「そろそろ卒研でも始めるか」と言った。八月初頭のことである。助手の先生はそのときほとんど何も考えていなかったようであるが、「とりあえず三次元空間で単一話者の音源定位のシミュレーションをしてみて」と言われた。 まず、「音源定位」か…

学部四年生の五月後半から七月。

集中輪講というものがうちの学科にはあった。大学や学科によってまちまちだとは思うが、一編の英語の論文を読まされて、その論文の内容をほかの研究室の先生や学生の前で説明するのである。英語を読む練習であり、発表の練習でもある。 私の研究室の場合は、…

学部四年生の五月前半。

教授による四回くらいのゼミが終わり、助手の先生がMATLABという言語についてゼミをした。ゼミ室に集められ、WindowsでのMATLABの起動の仕方と1+2の計算の仕方と終了の仕方を教わった。講義は十分もかからずに終わり、「何か質問は?」と…

学部四年生の四月。

学部四年生のときに自分が何をやったのかということを忘れそうなので書きとめておこうと思う。これから何回かに渡って書く。ただし、ほかの人に迷惑がかかるといけないので、先輩や後輩や同級生のことについては書かない。 私は音声と画像とロボットを扱って…