2007-01-01から1年間の記事一覧

学部四年生の五月前半。

教授による四回くらいのゼミが終わり、助手の先生がMATLABという言語についてゼミをした。ゼミ室に集められ、WindowsでのMATLABの起動の仕方と1+2の計算の仕方と終了の仕方を教わった。講義は十分もかからずに終わり、「何か質問は?」と…

学部四年生の四月。

学部四年生のときに自分が何をやったのかということを忘れそうなので書きとめておこうと思う。これから何回かに渡って書く。ただし、ほかの人に迷惑がかかるといけないので、先輩や後輩や同級生のことについては書かない。 私は音声と画像とロボットを扱って…

音声認識に関するyoutubeを一つ。

Perlを書こうとしている。これが音声認識の現状である。

感覚的に分かりづらい数直線。

小学生のときに数直線という概念を習って衝撃を受けた憶えがある。それまで「リンゴ○個」に代表されるような離散的な数や小数程度しか知らなかったのに、一気に世界が連続的になったからである。 ただし、この数直線は少々分かりづらい。大抵の場合、中学で…

「音声の構造的表象に基づく英語学習者発音の音響的分析」

かなり長い間、掲載を待っていた論文である。非常に面白い論文であるが、電子情報通信学会論文誌Dのアカウントを持っていないと読めない。ただし、理工系の大学の図書館に行けば論文誌が見つかることと思う。また、個人でアカウントを持っていなくても、大…

嫌な教師は虫歯を見つけてしまう歯医者なのかもしれない。

大学に来たのに勉強を拒否する学生は多々存在する。私は勉強がしたくて大学に入ったのでそういった学生の気持ちは分からなかったのだが、先日、おそらくこうなのだろうと予想がついた。歯医者に関する雑談を電話でしていたときのことである。 私が「歯医者の…

研究スパンと芸術やスポーツ。

工学部では、三年生以下の授業では長くても一時間半以内で解ける問題のみを扱う。けれど、研究室に入ったら、短くても一年間はかかる問題を扱うことになる。かなりの学生が研究室のやり方になじめないのも当然のことなのかもしれない。 研究に似ているのはそ…

無責任な妄想の必要性。

先日、数学の授業では肝心なことを教えていないのではないか*1ということを書いたが、今回はその日の出来事の続きである(話としては別物である)。 前回、別の研究室の後輩たちの卒業発表のプレゼンテーションを見ていたということを書いた。私は彼らの研究…

「本当に6人でつながるの? -SNSの世界から探るSix Degrees of Separation-」

一言でいえば、GREEのネットワークで「六度の隔たり」が成り立つかどうかということを報告している。電子情報通信学会学会誌2007年2月号に掲載されている。大きな図書館ならば普通の図書館にもあるはずである。記事執筆者はGREEのスタッフである。 さす…

成績への異議申し立て制度からの連想。

先日知ったのであるが、うちの大学に「成績への異議申し立て」の制度ができたようである。期限内ならば、教員に成績への文句がつけられるほか、その先生の対処が気に入らなかったら事務に話を持っていけるそうである。私はもはやこの制度は関係ないのだが、…

「多数決は多数派が勝つ」ことに関して。

選挙が終わったので、改めて外山氏のこの発言について考えたいと思う。一連の外山氏の政見放送は常識的には非難されるものではあったが、多くの人が部分的に共感したのではないかと思う。共感した人は「少数」ではないはずだ。 なぜ共感するのかといえば、簡…

電子・情報・機械系の学科の授業の半分。

四月からゆとり世代も大学二年生になる。大学二年生になると、一年生の頃よりもさらに授業が分からなくなるはずである。小学生になって初めて勉強をし、中学生になって定期テストに悩まされるようになり、高校生になって授業内容に追いつくのが精一杯になる…

"発話障害者支援のための音声生成器"

先日、東京大学で開催された音声・聴覚研究会を聴講しに行ってきた*1。ここ数年で音声周りの研究会のレベルが上がっているように思えるのだが、そのことは置いておいて、最も印象に残った発表を紹介する。タグは「音声認識」となっているが、音声合成の研究…

専門外の人から見るBonanza。

先日、将棋の渡辺竜王とコンピュータ将棋Bonanzaの対局がおこなわれ、Bonanzaが負けた。ニュースではBonanzaの惜敗であるということになっているが、いろいろとネットを見て回ったところでは「惜敗ではなく大差だ」との主張もあるようである。私は将棋につい…

卒業式の日に言われた言葉。

私は無関係だったのだが、本日は大学の卒業式があった。私が数年前に大学を卒業したときに言われた最も心に残っている言葉は、別の研究室の友人の一言だった。彼は、「俺が四年間で卒業するとは思わなかったでしょ」と言った。私が正直に「思わなかった」と…

"ベイジアンモデル選択に基づく知覚特徴量を用いた抽象的語意の学習"

言語獲得について研究している人の予稿である。どうしたら機械が自動的に言語を憶えていってくれるかという壮大なテーマに挑戦し続けている人の書いたものである。著作権がどうなっているのかは知らないが、こちらにアップロードされている。http://www.slc.…

自分のやっていることの社会的認知度を無視した科学者。

先日、情報処理学会の全国大会に行ってきた*1。大会というのは普段様々な小規模の研究会で活動している人々が一堂に会して発表をするお祭りである。ただし、普段の研究会よりも内容のレベルが低く閑散としていることが多い。 その大会で私もレベルの低い発表…

修士課程という肩書き。

工学部に限った話であるということをまず最初に書いておく。 勉強や研究をしない修士の学生が増えていると感じている。私だけではなく、先生方もそう感じているようである。また、私よりも上の世代からすでにその傾向はあったようである。もちろん私の世代も…

黄色い線の内側と複数形。

二十歳くらいの頃、アメリカのオタクと文通をしていたことがあり、そのときに「日本語には複数形がないよ」と教えたら、「じゃあ完璧なコミュニケーションができないじゃん」と言われたことがある。そのときは、複数形はあってもなくても同じだと思っていた…

負ける方法。

とても抽象的な話である。 私は中学のときに卓球をやっていて、そこそこの強さだった。三年間卓球をしていても勝つためのパターンというのは最後まで分からなかったが、負けるパターンというのははっきりと分かった。 全力を出さないと負ける。 試合をしない…

数学の授業では数学を教えていない。

話の枕として、最近本当にあったことを語る。 先日、とある縁のある研究室にふらっと遊びに行った。私は三十分くらい雑談をして帰るつもりだったのだが、その時期は卒業発表の時期で、その日がちょうど研究室内のリハーサルだったらしく、暇だったら見ていか…

"On the importance of phase in human speech recognition"

面白い論文があったので紹介する。題名を日本語に訳すと、「人間の音声認識における位相の重要性について」あたりになる。こちらにアブストラクトが載っている(http://ieeexplore.ieee.org/xpls/abs_all.jsp?isnumber=35293&arnumber=1678004&count=35&inde…

暗記科目としての数学。

カテゴリは「大学」であるが、これは高校の話である。数学といえば、一般に暗記の通用しない科目として捉えられており、才能がものをいう科目であると認識されているようである。それはおそらくほとんど真実だろうと思うが、「暗記不能」「才能次第」と一度…

博士課程とはどんなところか。

小学校と中学校は日本人ならほぼみんな通う。高校も多くの人が入学する。大学もそれなりに多くの人が進学するし、進学しなくてもなんとなくイメージはわくことと思う。今日の日記で採り上げたいのは大学院の話である。大学院というのがいかなるところか、想…

音声認識の問題と計算機の能力。

たまに「今のコンピュータでは音声認識は実現不可能だ」と主張する人がいる。特に専門外の先生にこういった主張をする人が多い。よくある論調としては、NP困難のからみで、人間と今の計算機では解の導き方が違うのだとするものが挙げられる。確かに、解の…